東京都目黒区にて初代 久保田一竹の辻ヶ花 袋帯、土田友湖の帛紗。

  

東京都目黒区にて初代 久保田一竹の辻ヶ花 袋帯、作家物のお着物、土田友湖の帛紗(表千家家元十三代 即中斎宗匠自筆)をお売りいただきました。

お荷物のお片付け整理で、お着物を出張買取をさせていただきました。お売りいただいたお品は、初代 久保田一竹の辻ヶ花 袋帯や作家物のお着物、土田友湖の帛紗など。お着物は作家物が多くございました。帯もまた初代 久保田一竹の作品の他、龍村平蔵など作家物が多くございました。良いお着物が多く、一点一点丁寧に査定し、全て買い取らせていただきました。初代久保田一竹は20歳の時に東京国立博物館で辻が花と出会い、感銘を受け生涯をその研究にささげることを決意されました。太平洋戦時での召集などの困難を乗り越え、手描き友禅を生活の糧としながら、研究を続け、60歳にして初めて「辻ヶ花」を完成させます。これが「一竹辻ヶ花」と命名された逸品の始まりです。一竹の着物はファンも多く、特に初代のアイテムは非常に高値で取引をされているため、高額査定で買い取らせていただくことが出来ました。土田友湖(つちだゆうこ)は千家十職の袋師。千家十職とは茶道の三大流派の表千家、裏千家、武者小路千家の三千家好みの茶道具の制作を行っている金物師(中川浄益家)表具師(奥村吉兵衛家)や茶碗師(楽吉左衛門家)塗師(中村宗哲家)釜師(大西清右衛門家)土風炉・焼物師(永楽善五郎家)一閑張細工師(飛来一閑家)指物師(駒澤利斎家)竹細工・柄杓師(黒田正玄家)袋師(土田友湖家)の十の職業、十の家のことを言います。こちらの帛紗は、表千家家元十三代 即中斎宗匠自筆で寿字が描かれております。茶道をされていたようでしたが、お道具はすでにご友人方に分けられておりました。茶掛けが数点残っておりましたので、こちらも買取させていただきました。素晴らしいお着物や茶道具をお売りいただき、有難うございました。大切に次へと橋渡しさせていただきます。

初代 久保田一竹(くぼたいっちく)1917年(大正6年)10月7日~2003年(平成15年)4月26日
1916年 10月7日 神田に生れる
1931年 友禅師小林清師に入門
1948年 辻が花の研究に着手
1961年 独自の染色法一竹染を創業
1983年 パリ・チェルニスキー美術館にて「一竹辻が花展」
1984年 ニューヨーク・ダラスにて「一竹辻が花 光・風・音展」
1985年 ベルギー・ブリュッセルにて「一竹辻が花 光・風・音展」
1988年 バチカン宮殿にて上演された創作能「イエズスの洗礼」の衣装制作
1989年 ヨーロッパ主要都市にて個展
1990年 フランスよりフランス芸術文化勲章シェヴァリエ章を受賞
1993年 文化庁長官賞受賞
1994年 久保田一竹美術館(河口湖町)開館
1996年 ワシントンD.C.スミソニアン国立自然史博物館にて個展
2003年 逝去(享年86歳)

表千家家元十三代 即中斎宗匠
即中斎(そくちゅうさい)明治34年(1901)〜昭和54年(1979)。表千家13代。12代惺斎の次男に生まれる。兄不言斎の逝去により、昭和13年(1938)に家元を襲 名。第二次世界大戦の最中、昭和17年に千家同門会を発足させ、昭和24年(1949)には財団法人不審菴を設立。現代における茶の湯普及と伝統の保持と いう組織機構の基礎を築いた。