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東京都渋谷区上原にて、龍村平蔵製の天平大鵬文袋帯、赤珊瑚の帯留。

   

東京都渋谷区上原にて、龍村平蔵製の天平大鵬文袋帯、赤珊瑚の帯留めをお売りいただきました。

近代染織界において大きな業績を残した、龍村平蔵。幼時から茶道、華道、謡、仕舞、俳諧と文芸美術の豊かな環境の中で育った彼は、「従来にない独創的な織物を作りたい」。そんな想いを胸に来る日も来る日も新技術の開発に打ち込んだ結果、その努力が見事実を結び、平蔵は30代という若さにもかかわらず、「高浪織」や「纐纈(こうけち)織」、など数々の特許を取得し、周囲の人々に衝撃を与えたのです。伝統的な西陣にあって、常に斬新な発想と革新的な技法の習得により新境地を切り開いてきた龍村平蔵。彼が残した「温故知新を織る」という言葉からは、彼が生涯をかけて取り組んだ「織の美」にかける純粋なまでの熱き想いを感じ取ることができます。その巧みな技は大正、昭和、平成と時代を超えて、現在四代龍村平藏氏に受け継がれています。本日お売りいただきました袋帯は、龍村平蔵製・天平大鵬文の全通柄本袋帯(正絹・芯無し)になります。締めてはおりますが、特に目立つシミ汚れなどもなく比較的良い状態の帯でした。帯の他、赤珊瑚の帯留めも併せてお譲りいただきました。土台はシルバー(銀製)で、赤珊瑚三連の素敵な帯留めでした。素晴らしいお品をお売りいただき、有難うございました。
本日は志木市場の開催日でしたが、残念ながらいつも仲間たちと行く昼食に間に合わず。仲間がおにぎりの差し入れをしてくれました。おにぎりを見ると名前が「悪魔のおにぎり」。嫌がらせかと思いきや、今話題のおにぎりのようで、とても美味しかったです。「悪魔のおにぎり」はおいしすぎてついつい食べ過ぎてしまうことから名付けられているようです。Jさん差し入れ有難うございました。

龍村平蔵(たつむらへいぞう)初代龍村平蔵氏は古裂復織の第一人者として知られ、二代目平蔵氏は初代を継承して復織に生涯を捧げる。三代目龍村平蔵では龍村美術織物を設立。龍村美術織物ではタペストリーの復織などの古裂の復織とともに帯の創作にも取り組む。現在は四代目龍村平蔵が就任し、今でも織り続いております。