東京都練馬区早宮にて川北良造の茶筒、宇野宗甕の花生、煎茶道具、着物。

東京都練馬区早宮にて人間国宝 川北良造の神代欅茶筒、初代 宇野宗甕の仿作青磁国宝鳳凰耳花生、煎茶道具、着物、反物などをお売りいただきました。

業者様のご紹介で、お引越し前のお片付け整理でお呼びいただきました。長年集めていらっしゃった煎茶のお道具やお着物をご処分されたいとご連絡いただき、出張買取させていただきました。本日お売りいただいたお品は、人間国宝 川北良造の神代欅茶筒、初代 宇野宗甕の仿作青磁国宝鳳凰耳花生、煎茶道具、着物、反物など。
川北良造は1934年に石川県山中町(現加賀市)に生まれ、人間国宝の氷見晃堂に師事し技術を磨きます。挽物と呼ばれる木材をろくろで削り出す技法を得意としており、作品のほとんどは皿や椀、棗など円形のものとなっています。欅、桑、楓、黒柿などのそれぞれの特性を生かした作品制作に定評があります。1994年には重要無形文化財(人間国宝)「木工芸」保持者に認定されております。お売りいただいたお品は神代欅茶筒。素地を最大限に活かした実に川北良造らしい作風で、美しい木目が無紋ゆえに際立ち、作者の高度な技量ゆえの圧倒的仕上がりは驚嘆の一言に尽きます。
宇野宗甕(うのそうよう)は中国五大名窯の釉薬研究と作品の再現に努めた陶芸家。家業が欧米の不況によって国外貿易陶磁から国内向け制作に転換することになり辰砂や釣窯、青磁や天目などの釉薬の研究と再現に没頭します。二世仁松から宗甕に名を改め、いっそう釉薬研究に独自の作品制作を続けて辰砂や青磁の無形文化財の認定を受けております。お売りいただいたお品は仿作青磁国宝鳳凰耳花生。宗甕の代表的な青磁の作品で、二重箱に収められております。
他にも煎茶道具や紬のお着物や反物など、たくさんのお品をお売りいただきました。状態の悪いものも数点ございましたが、当社で買い取りを強化している煎茶道具、着物ですので、全て買い取らせていただきました。お売りいただきましたお品々、大切に次へと橋渡しさせていただきます。本日はお忙しい中、六角堂をご指名くださり有難うございました

川北良造(かわきたりょうぞう)1935~
1935年 石川県加賀市中山温泉に生まれる
1950年 父:浩一の元で山中漆器ろくろ挽物技術を修行
1962年 第9回日本伝統工芸展にて初出品して入選する
1966年 第13回日本伝統工芸展にて日本工芸会長賞を受章
1968年 第15回日本伝統工芸展にて日本工芸会長賞を受章
1994年 木工芸にて重要無形文化財保持者に認定〈人間国宝〉
1999年 紫綬褒章を受賞する
2004年 旭日中綬章を受賞する

初代 宇野宗甕(うのそうよう)1888~1973年
1888年 宇野仁松の長男として京都に生まれる。本名 宗太郎。
1942年 三男仁平に「仁松」名を譲り自身は「宗甕」と号す。
1943年 京都陶磁器技術保存組合理事長に就任
1952年 辰砂で無形文化財記録保持者
1955年 日本工芸会正会員
1957年 青磁で無形文化財記録保持者
1965年 紫綬褒章を受章
1967年 勲四等瑞宝章、京都府美術工芸功労章受章
1972年 美術功労賞受章
1973年 死去(85歳)