神奈川県川崎市中原区にて長谷川栄作の木彫「乃木大将像」、犀の香炉、仏像など。

  

神奈川県川崎市中原区にて帝展審査員 長谷川栄作の木彫「乃木大将像」、犀の香炉、仏像などをお売りいただきました。

不動産業者様のご紹介で、お引越し前のお片付け整理でお呼びいただきました。いつもお客様をご紹介くださり有難うございます。仏像や置物などをご処分されたいとのことでお呼びいただきました。お売りいただいたお品は、彫刻家 長谷川栄作の木彫「乃木大将像」、犀の香炉、仏像など。長谷川栄作は吉田芳明に木彫を師事し、大正3年文展で「夢」で初入選。官展を中心に作品を発表し、栴檀社・東邦彫塑院を結成するなど活躍しました。お売りいただいた作品は氏の伯父にあたる長州藩士であり明治時代の軍人、陸軍大将「乃木希典(1849-1912)」の肖像彫刻です。軍人としての伯父ではなく、休日の優しい伯父の姿が忠実に再現されています。共箱の欠品、所々にシミがありましたが、当社で買取強化中の作家作品ですので、お客様にご満足いただける査定額で買取させていただきました。ほかにも銅製 犀の香炉や明治期の木彫り仏像、銅製の観音菩薩像などをお売りいただきました。良いお品をまとめてお売りいただき、ありがとうございました。

長谷川栄作(はせがわえいさく)1894年~1944年
1894年 長谷川勝太郎の長男として浅草区小島町に生まれる。母イネは乃木希典の妹。
1892年 品川小学校入学。家庭の都合により、吉田芳名に師事し象牙彫刻を学ぶ。
1905年 東京商工会に出品するが、他人の銘で出品され、好評を博したことに憤慨する。伯父の乃木希典に、彫刻を志すなら私を作れと命じられ、これが作品の第一号となる。
1913年 山口県長府に希典像を残すこととなり、其の事業の続きとして希典少年が両親の訓話を聞いている像を旧邸内に制作することとなる。
1914年 秋の文展に出品した「夢」で初入選。
1917年 「栴檀社」を創設。秋の文展十一回に「引接」を出品、特選主席となる。
1918年 矢野君江と結婚。栴檀社展に「白輝」「羽衣」を出品、秋の文展には「地上にある誇り」を出品、つづいて特選となる。
1924年 北村西望の彫刻団体昿原社に参加し、9月には帝展審査員を任命される。「母性禮讃」などを制作。その後「坪内逍遥」「原敬」などを制作する。
1927年 乃木神社の獅子狛犬を制作、「彫塑の手ほどき」を博文舘より出版。
1928年 「華」を制作。
1930年 「童形地蔵菩薩像」を古河家の依頼により制作。吉田松陰像、「双柿舎における逍遥」、徳富蘇峰像、大日如来像、薬師如来像、晩年に漁師像などを制作をしました。
1944年 10月6日死去。享年55