東京都台東区浅草にて吉田屋窯の香炉(銀火屋)、仏像、掛軸など。

 

東京都台東区浅草にて吉田屋窯の香炉(銀火屋)、仏像、掛軸などをお売りいただきました。

業者様のご紹介で、遺品整理でお呼びいただきました。お父様が生前大切にされていたという骨董品をご処分されたいとのことでご連絡いただき、本日出張買取させていただきました。お売りいただいたお品は、江戸後期吉田屋窯の香炉、仏像、掛軸など。仏像は古銅の観音菩薩、木彫りの観音菩薩、大黒天など。掛軸は酒井抱一の花鳥画など。吉田屋窯の香炉は三つ足の九谷五彩香炉。九谷五彩とは赤・黄・紺・紫・青(緑色) を使った絵付。五彩手とも呼ばれまております。火屋は銀製、草花透かし彫りで造りの良い火屋となってます。底印は二重角福銘。香炉とは香を焚く際に用いられる器で、仏具としてのイメージが強いかと思いますが、茶道においても香を焚く事から、香炉は茶道において欠かせない重要な道具の一つであります。仏具、茶道具と共に買い取りを強化している当社では、香炉は特に買取に力を入れております。今回のような時代香炉はもちろん、作家物の香炉、美しい蒔絵・螺鈿などの漆製、翡翠(ひすい)製、銀・銅などの金属製、青磁など様々な香炉を高価買取しております。お父様の大切にされていた骨董品、大切に次へと橋渡しさせていただきます。本日はお忙しい中、出張買取でお呼びいただき有難うございました。
買取先が浅草寺の側で前を通りましたが、非常事態宣言期間中ですので、人はほとんどおりませんでした。当社では一日一件のみの出張買取、車での移動、買取後はすぐに帰宅することとなっておりますので、中には入らずすぐに帰宅しました。外食を一か月近くしておりませんので、出張帰りのラーメンが恋しいです。非常事態宣言の延期が決まりましたので、落ち着いた日々が戻る日まで今しばらく我慢します。

吉田屋窯(よしだやかま)九谷焼は、明暦元年(1655)に、加賀藩の命により、有田で陶技を学んだ後藤才治郎が、江沼郡九谷村で開窯したのが始まりですが、約50年続いた後に突然廃窯してしまいます。この間に焼かれたものを、現在「古九谷」と呼んでいます。以降100年近くの間、空白の時代を迎えますが、江戸後期になり、大聖寺藩で、九谷焼再興の動きが興ります。その中心人物が、大聖寺の豪商・豊田伝右衛門。彼は文政7年(1824)、私財を投入し、九谷村の窯跡の横に登窯を築き、翌年から吉田屋(豊田家の屋号)窯を興します。古九谷の青手を再現した吉田屋窯の青手「青九谷」を生み出した窯であると評判を呼び、高い名声を受けました。芸術性や品質において古九谷に迫るものと高い評価を受けますが、七年余りの短い間で廃窯となってしまいます。この後も新たな窯が興り、九谷焼の生産が続けられます。この時代につくられたものが「再興九谷」とよばれ、現代の九谷焼へとつながっています。