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静岡県田方郡函南町にて平田郷陽の衣装人形「饅頭喰」。

静岡県田方郡函南町にて平田郷陽の人形「饅頭喰」をお売りいただきました。

平田郷陽のお人形をご売却されたいとご連絡いただき、本日出張買取させていただきました。当社がお伺いする前に他社が査定をされておりましたが、精一杯の査定の上、当社にお売りいただくこととなりました。お売りいただいた作品は、人間国宝である平田郷陽の衣装人形「饅頭喰」。当社で最も買い取りを強化しているお人形の作家作品であります。平田郷陽の作る人形は「生き人形」とまでいわれ、中でもこの度お売りいただいた子どもの無邪気なしぐさの一瞬をとらえた作品は平田郷陽の代表作となっております。愛好家が多く、一生のうち郷陽の作品を一度は持ちたいという熱意を持っているファンが多い昭和を代表する人形作家です。1955年には、人形界初の国指定重要無形文化財(人間国宝)に認定されており、木目込みの技法を用いた衣裳人形を多数手掛けています。残念ながら饅頭を持つ手の指の破損、欠品などございましたが、共箱もあり指の欠損以外は全体的に状態も良かったので、お客様にご納得いただける査定額で買い取りすることが出来ました。お父様からいただいたという思い出のお人形、責任もって次へと繋げさせていただきます。まだまだ骨董品がたくさんあり、近日またお呼びいただけるとのこと、楽しみにお待ちしております。平田郷陽作品の買取業者が多数ある中、六角堂をご指名くださり誠に有難うございました。
帰りに沼津港にある丸天さんへ寄り、海鮮丼をいただきました。わたしの大好きなお店であり、近くへ出張した際には寄らせていただいております。かき揚げで有名なお店ですが、海鮮丼もとても美味しいです。また寄らせていただきます。

平田郷陽(ひらたごうよう)1903年(明治36)~1981年(昭和56)
1903年 松本喜三郎・安本亀八 系統の活き人形師であった初代平田郷陽(恒次郎)の長男として、東京浅草に生まれる。
1917年 14歳の時、父のもとで人形製作の修行を始める。
1924年 父の跡を継ぎ二代卿陽を襲名。
1927年 市松人形を製作。
1928年 岡本玉水・久保佐四郎・名川春山・吉田永光らとともに、創作人形の研究団体「白沢会」を結成する。
1935年 日本人形社を立ち上げる。
1936年 第1回帝国美術院展に初入選。
1937年 パリ万国博覧会に出品し、金賞受賞。
1955年 重要無形文化財「衣裳人形」保持者(人間国宝)に認定される。
1959年 皇后宮殿に「瑞鳥」製作。
1968年 紫綬褒章を受賞。
1974年 勲四等瑞宝章を受賞。
1981年 逝去。享年77歳。

秋田県能代市より木村渡雲の薄端、龍の置物、千葉県市川市にて中島千波の画集。

秋田県能代市より木村渡雲の薄端、龍の置物、千葉県市川市にて中島千波の画集をお売りいただきました。

本日は一件の宅配買取、一件の出張買取。一件目は秋田県能代市より花器の宅配買取。遠州流の茶道、華道を教えていらしゃった曽祖父様が使用されていた花器をご売却されたいとご連絡を頂き、宅配買取にてお売りいただきました。お売りいただいたお品は、木村渡雲(二代 村田整珉)の銅製 細密龍彫刻薄端、古銅龍の置物。いずれも龍の細密彫刻が大変素晴らしく、保管状態も良かったので、お客様にご納得いただける査定額で買い取りさせていただきました。曽祖父様が大切にされ、ご家族の思い出のお品、当社で責任持って次へと橋渡しさせていただきます。最初にメールをいただいた時から、宅配買取終了時まで丁寧にお取引していただき、誠に有難うございました。二件目は千葉県市川市へ絵画の出張買取。絵画をご処分されたいとご連絡いただき、本日出張買取させていただきました。お売りいただいたお品は、外国人画家のリトグラフ数点、中島千波の画集「花物語」。花物語は日本経済新聞社から出版され、中島千波の代表する花の絵画をセットにしたオフセット画集になります。全て保管状態が良く、お客様にご満足いただける査定額で買取させていただきました。絵画のご処分に六角堂をご指名くださり、有難うございました。

村田整珉(むらたせいみん)1761~1837年 江戸時代後期の鋳金家。
宝暦11年8月13日生まれ。江戸の人。田川珉武の門人。蝋型(ろうがた)鋳造の名手で,置物,花瓶,仏具などをつくった。初代整珉(1761年8月13日 生まれ、1837年11月24日 没)の後は、子供が幼かった為、養子で弟子の木村渡雲(岩手県出身)が二代目整珉となり、後に、初代の実子(仙次郎)が三代目整珉となっています。天保(てんぽう)8年11月24日死去。77歳。本姓は木村。通称は総次郎。別号に北玉叟。

中島千波(なかじまちなみ)1945年~
1945年 日本画家・中島清之の三男として疎開先の⻑野県小布に⽣まれる
1969年 東京藝術⼤学⽇本画科を卒業。第54 回院展へ初出品した「窓」が⼊選
1971年 東京藝術⼤学⼤学院を修了
1979年 第5 回⼭種美術館賞で、優秀賞を受賞
1984年 第1回横の会結成に参加(以後1993年の第10回最終展まで参加)
1987年 NHK テレビ「きょうの料理」のテキスト表紙絵を担当。以降、3 年間⼿掛ける
1990年 三溪園臨春閣第六室襖絵「不⼆と桃花図」「松林図」が完成
1992年 「おぶせミュージアム・中島千波館」が開館
1994年 東京藝術⼤学美術学部助教授に就任
1995年 歌舞伎座緞帳「淡紅⽩梅」が完成
2000年 東京藝術⼤学美術学部デザイン科教授に就任
2006年 ⼩布施名誉町⺠に選出される