静岡県富士宮市にて今泉今右衛門の色鍋島有職文花瓶、奥田元宋の和歌画賛。

   

静岡県富士宮市にて人間国宝 十三代今泉今右衛門の色鍋島有職文花瓶、奥田元宋の和歌画賛などをお売りいただきました。

以前、骨董品の出張買取でお呼びいただいたお客様からご連絡いただき、倉庫にしまっている家具や置物などを処分されたいとのことで静岡県富士宮市へ出張買取させていただきました。お売りいただいたお品は、十三代 今泉今右衛門の色鍋島有職文花瓶、奥田元宋の和歌画賛、松本民芸家具のライティングデスク、岩谷堂箪笥の文机、北谷家具の鏡台、銀製置物、マイセンやドレスデンのフィギュリン、洋食器など。たくさんのお品をお売りいただきました。13代今泉今右衛門は伝統的な色鍋島の装飾技法に加え、「吹墨」、「薄墨」、「吹重ね」という独創的な作風を創出しました。端正で流麗な造形、安定した色調、精緻な文様の斬新さには驚嘆すべきものがあります。お売りいただいた色鍋島有職文花瓶は本人作ではなく窯の作品ですが、サイズもあり大変出来の良い作品。共箱は欠品しておりましたが、高額査定させていただきました。奥田元宋は当社で買取強化中の人気日本画家。「元宋の赤」といわれる独特な赤色が特徴の作品を描きます。妻の奥田小由女は人形作家、芸術院会員。2014年に日展理事長就任。お売りいただいた作品は日本画ではなく和歌画賛(色紙)ですが、お客様にご満足いただける査定額で買取させていただきました。銀製置物は関武比古のヨットや高砂など。トラック一台分、たくさんのお品を買取することが出来ました。お品数が多く積み残しがありましたので、来週もまたお呼びいただきました。本日はお忙しい中、静岡県までお越しいただき、たくさんのお品をお売りいただき有難うございました。次回もまたよろしくお願い致します。
お客様に富士宮やきそばで美味しいお店を訪ねたところ、近所にある「ゆぐち」さんというお店をご紹介いただき、帰りに寄らせていただきました。目玉焼きをのせた富士宮焼きそば、お好み焼きを食べました。ジューシーなキャベツに半熟の黄身が麺と絡んでとても美味しかったです。また寄りたいと思います。

十三代 今泉今右衛門(いまいずみいまえもん)1926年(大正15)~2001年(平成13)
1926(大正15)年、12代今泉今右衛門の長男として佐賀県に生まれる
1949(昭和24)年、東京美術学校(現:東京芸術大学)工芸科を卒業しました。
1958(昭和33)年、佐賀県展で最高賞を受賞しました。
1963(昭和38)年、一水会陶芸展で一水会会長賞を受賞。一水会陶芸部会員に推挙されました。
1965(昭和40)年、日本伝統工芸展で日本工芸会会長賞を受賞。日本工芸会正会員に推挙。
1972(昭和47)年、「色鍋島かるかや文鉢」が東京国立近代美術館に買い上げられました。
1974(昭和49)年、一水会陶芸展審査委員に就任しました。
1975(昭和50)年、13代今泉今右衛門を襲名しました。
1976(昭和51)年、日本陶磁協会賞を受賞しました。日本工芸会理事に推挙されました。
1979(昭和54)年、日本伝統工芸展優秀賞(NHK会長賞)、佐賀県芸術文化賞を受賞しました。
1980(昭和55)年、日本伝統工芸展鑑査委員に就任しました。
1981(昭和56)年、日本陶芸展最優秀作品賞(秩父宮賜杯)を受賞しました。有田陶芸協会発足に伴って会長に就任。
1982(昭和57)年、佐賀県陶芸協会会長に就任。日本伝統工芸展鑑査委員に就任しました。
1983(昭和58)年、日本伝統工芸展鑑査委員に就任しました。
1984(昭和59)年、西日本文化賞を受賞しました。
1985(昭和60)年、日本伝統工芸展鑑査委員に就任しました。
1986(昭和61)年、紫綬褒章を受章、佐賀県政功労賞、佐賀新聞文化賞を受賞しました。
1987(昭和62)年、日本工芸会常任理事に推挙されました。日本伝統工芸展鑑査委員に就任。
1988(昭和63)年、毎日芸術賞、第一回MOA岡田茂吉賞を受賞しました。
1989(平成元)年、重要無形文化財「色絵磁器」の保持者(人間国宝)に認定されました。日本陶磁協会金賞を受賞しました。
1991(平成3)年、佐賀県庁県民ホールの陶壁を制作しました。
1992(平成4)年、国際陶芸アカデミー(IAC)の名誉会員に推挙されました。
1993(平成5)年、佐賀県立有田窯業大学校長に就任しました。
1995(平成7)年、国際文化交流に対し、外務大臣より表彰されました。
1998(平成10)年、グッドデザイン賞審議委員に就任しました。
1999(平成11)年、勲四等旭日小綬章を受章しました。
2000(平成12)年、日本工芸会副理事長に就任しました。
2001(平成13)年、逝去。

奥田元宋(おくだげんそう)1912年6月7日~2003年2月15日
1912年 広島県双三郡八幡村(現在の三次市吉舎町八幡)に生まれる。
1931年 中学卒業を機に遠戚に当たる日本画家、児玉希望を頼って上京し内弟子となる
1936年 文展鑑査展に「三人の女性」が初入選
1937年 児玉希望画塾第1回展に塾賞を受賞。「元宋」と号した
1949年 第5回日展において「待月」が特選と白寿賞受賞
1956年 第12回日展に委嘱出品。日展会員となる
1962年 第5回新日展では「磐梯」が文部大臣賞受賞、文化庁買上げ
1973年 日本芸術院会員
1974年 日展常任理事となる
1977年 この年より79年まで日展理事長をつとめる
1981年 宮中歌会始の召人に選ばれる。真言宗大聖院の本堂天井画「龍」を制作。
1984年 文化勲章受賞
1989年 広島県名誉県民として顕彰される
1995年 日本芸術院第1部(美術)の部長となる
1996年 京都・銀閣寺(慈照寺)の庫裏・大玄関及び弄清亭障壁画を完成させる
2003年 東京で逝去、享年90歳