東京都練馬区東大泉にて、偕楽園製黄交趾寿字文大花入、端渓硯など。

東京都練馬区東大泉にて、偕楽園製黄交趾寿字文大花入、端渓硯などをお売りいただきました。

本日は二件の出張買取。一件目はさいたま市桜区へ出張買取させていただきました。先日お呼びいただいた不動産業者の方のご紹介で伺いました。本日はお着物、反物、毛皮、贈答品などを買取りさせていただきました。今回もまた、お客様をご紹介くださり有難うございました。二件目は東京都練馬区東大泉へ遺品整理でお呼びいただきました。こちらではお客様のお爺様が大切にされていたという偕楽園製の黄交趾寿字文大花入や端渓硯などをお売りいただきました。お売りいただいたお品は偕楽園焼の代表的な作品である寿字文花生です。釉薬は黄色、内面全体にも黄釉が施されています。底面高台内に陰印刻銘で「偕楽園製」(楷書体)とあります。交趾とは本来、元時代に中国南部で生産された陶磁器の一種で、古くから中国の文化が日本の文化に多くの影響を与えてきました。偕楽園製のお品はよく買い取りさせていただきますが、紫交趾の二彩のものが多く、黄交趾三彩のものは数少ないです。偕楽園製のお品は個人的にも好きで、本品はお客様にお喜びいただける査定額で買い取らせていただきました。端渓硯も古くて良い硯、良いお品をお売りいただき有難うございました。
本日は倉庫近くにある松栄庵さんでなめこそばをいただきました。いつもはうどんを食べますが、たまにはおそばもいいものですね。

偕楽園焼(かいらくえんやき)
紀州藩御庭焼。紀州藩主十代徳川治宝の西浜御殿の偕楽園における御庭焼。文政十年(1827)~嘉永五年(1852)。京より 楽九代了入・十代旦入 永楽保全 仁阿弥道八 二代弥助(久楽)らが来て制作している。
作品には 楽焼、釉の色が黄・紫・緑等の交趾・青磁等があります。紀伊藩10代藩主である徳川治宝は、文政2年(1819)、和歌山城下の南西(現在の県立和歌山工業高校付近)に別邸・西浜御を築き、以後、その御殿の庭園・偕楽園で偕楽園焼という御庭焼をおこないました。
偕楽園焼の制作や指導には、京都から表千家9代の了々斎(1775-1825)や、表千家10代の吸江斎(1818-60)をはじめ、楽旦入(1795-1854)、永楽保全(1795-1854)などの著名な陶工が招かれております。文政2年、文政10年(1827)、天保7年(1836)の少なくとも3回焼かれたことがわかっており、作品には楽焼系と磁器系の二つの種類があります。
偕楽園焼には無銘のものも多く、銘があるものは「偕楽園製」の二行角印や丸印、「偕楽」一行丸印など様々な種類があり、楽焼系と磁器系で押されている印が異なっています。