東京都北区赤羽西にて、桐箪笥、茶道具、人間国宝音丸耕堂の水指替蓋。

 

東京都北区赤羽西にて、桐たんす、お茶道具、人間国宝音丸耕堂の彫漆かうほね水指替蓋をお売りいただきました。

知人の着物屋さんのご紹介で、お片付け整理でお呼びいただきました。お売りいただいた桐たんすは、春日部桐箪笥でした。春日部桐箪笥は、よく買い取りさせて頂いている加茂桐箪笥と同じく、伝統工芸品に指定されております。20年近く経過しているものでしたが、油単を掛けていらっしゃいましたので、大変良い状態でした。お茶道具は数年前まで師範をされていた方でしたので、素晴らしいお道具が数多くございました。茶道具は徐々に処分されるとのことで、本日は10点ほどお売りくださいました。中でも、人間国宝である音丸耕堂の彫漆かうほね水指替蓋は、当社で買い取りを強化している作家作品でしたので、お客様にご満足いただける査定額で買い取らせていただきました。音丸耕堂は大正から昭和時代に活躍した香川漆器の漆芸家で、1955年に重要無形文化財「彫漆」保持者に認定されております。音丸耕堂の作品は盆、香合、茶箱などの茶道具や硯箱、文箱などの箱ものが多くございます。 漆の層が厚く、多彩で複雑な彫刻となっている作品は香合のような小さな作品でも高価買取が期待できます。音丸耕堂作品の他にも、金龍堂の鉄瓶や同じく人間国宝である田村耕一の茶碗などお売りいただきました。良いお道具をお売りいただき有難うございました。帰り道、赤羽駅にある「磯丸水産」へ寄り、食事をさせていただきました。大好きな島寿司やお茶漬け、揚げ出し豆腐などいただきました。磯丸水産さん、とっても美味しいです。

音丸耕堂(おとまる こうどう)1898年(明治31)~1997年(平成9)
幼少から讃岐彫の修業を行い木彫技法を極め、16歳で独立後は香川漆器の祖 玉楮象谷に傾倒、彫漆を志して独学研究に努める。
磯井如真、北原千鹿、大須賀喬らと交流しました。玉楮象谷(たまかじしょうこく)の模刻から次第に西欧風の浪漫的な意匠へと展開し、1937年に上京した頃には新しい色漆の制作を始める。
色漆に金銀粉を混ぜたり、彫り口の傾斜の幅を変えるなどして層の重なりの表情を豊かにし、立体感や繊細な美しさを追求した作品制作をしました。
日本工芸会の創立に参加、日本伝統工芸展を中心に活躍を続けました。
1898年 香川県高松市に生まれる
1942年 新文展で漆月之花手筥が特選となる
1955年 重要無形文化財「彫漆」保持者に認定される
1967年 紫綬褒章を受賞する
1973年 勲四等旭日小綬章を受章する
1997年 死去